QandA 地 形

 

Q1 高知の地形はどうなっているの?

A1 はい。 高知市付近の地形は,地溝状盆地といって,水がとても集まりやすい構造を持っています。
 以下の図は,高知平野の位置関係です。 高知平野は,南四国中央低地のほぼ中央部に位置しますが,北側は標高400m 前後の小起伏山地で遮られています。
 一方,南側には仏像構造線と呼ばれる大きな断層で区切られた小山脈が存在するために,南北を山脈で挟まれた 地溝状盆地 を形成しています。
 高知平野の東部は,物部川による大規模な新旧の扇状地で形成された 香長平野 で,香美市・南国市および香南市が立地しています。
 高知平野の西部の高岡・弘岡低地は,仁淀川両岸に形成された自然堤防と,その背後の軟弱地盤である後背湿地から形成されており,土佐市や春野町が立地しています
 中央部は,いわゆる狭義の高知平野であって,鏡川や久万川及び国分川の合作による複合三角州が形成されており,県都の高知市が立地しています。
 下図に示すように,仁淀川と鏡川・国分川はいずれも小山脈を切って太平洋に注いでいることから,河川幅が狭いため排水能力が低く,大雨の時には浸水する可能性が指摘されています。

A1-1 三角州とは
 高知平野の 三角洲 は,標高 1.0m~1.5m 以下の地域で,浦戸湾に注ぎ込んでいる各河川の河口部に形成された 平均勾配 0.5/1000 の平坦な低地で,いくつもの河川が合同して堆積した 複合三角洲 となっています。
 三角州の大部分は,紀貫之の 「土佐日記」 の時代 (西暦930年~934年)では海面下の土地であったように,その形成,特に陸地化は,藩政時代以後の人工的な面におうところが大きいのが特徴です。 
 海抜ゼロメートル地帯は,国分川・久万川等の河口付近の合流地域を中心に下田川流域まで延びており,西部地域全体の約8割 (約10平方km) を占めています。
 地形的に見て,鏡川や国分川等の河口がラッパ状である点や,北部山麓に溺れ谷状地形が見られる点などから,年間数ミリ程度の自然沈下が続いていると考えられます。
 この他,三角州地帯は,過去において 浸水・津波による災害を受けた地域 です。
 詳しくは,5mDEM標高段彩図土地条件図 をご参照ください。

A1-2 自然堤防地帯および後背湿地とは
 自然堤防地帯は,扇状地の下流側に続く地域で,三角州との間に位置します。
 鏡川流域では中須賀-能茶山の標高5m付近から,はりまや橋-梅ガ辻付近の標高1.0~1.5mまでの平均勾配1.2/1000の地域で,河川に平行して舌状に下流にのびる等高線に特徴があります。
 また,久万川流域では愛宕大橋付近まで,国分川流域では川中島付近までが自然堤防地帯といえます。
 後背湿地は自然堤防間の低地であって,大雨時の冠水などの問題の多い地域です。 
 一方,この地域には曲流していた旧河道跡が残っている場所も存在しますが,後背湿地またはそれに類する地形であるため,自然排水が困難な地域です。
A1-3 扇状地とは
 扇状地は,各水系の渓口部に粗粒土を主体とした扇状の堆積地です。
 標高約 10mの朝倉米田地区を扇頂とし,5m 付近の先端へかけての 約 3/1000 の傾斜をもつ地域で,構成する物質は主に砂礫です。
 北部山麓地域の開析地を埋めている久万川の各支流も,小規模ながらそれぞれ扇状地を形成しています。 それらは既に河川の下方侵食が進み,開析が始まっています。